日本は子育てしにくいのか? 様々な視点から検証してみた結果

fadf513edc8da15f35b4c417ad3f33a3_s「保育園日本死ね」から波及した子育て問題。

子育てママはこぞって「日本は子育てに厳しい国」「今のままでは少子化は止められない」と声高に叫んでいます。筆者も子育てをしていて支援が足りない、世間が子供に優しくないと感じることが多々あります。

そこで「今の日本は本当に子育てに厳しいのか?」という事を様々な視点から調べてみました。

国際的にみてどうなのか?

諸外国と比べて、日本の子育てはどうなのか調べてみました。

公的教育費支出額について

子育てで一番悩むものそれは「教育費」です。

世帯収入に対しての支出の割合が一番大きく、教育費が問題で子供を作らない家庭も多いと聞きます。
国際的にみて日本の教育費の支援が足りているか知りたいところ。

実際のところどうなのか、データを取り寄せました。
kyouikuhi※文部科学省 基礎データ集より

対GDP比、政府総支出比で各国に対してかなり低い事がわかります。
特に北欧に比べてGDP比で半分以下なことに驚きです。
特に幼児教育・高等教育に対する支出は諸外国に比べて劣っています。
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ここまで差が広がっていると他の国はどのような政策を取っているの気になります。
各国の政策をまとめました。

イギリス

・2004年までに全ての3~4歳児に対する幼児教育の無償化を実現
・高等教育における給付型奨学金が最大35万円

給付型奨学金とは
学業を修了するまで貰える物で返済の必要が一切ない

フランス

・ 主に3~5歳児を対象とした幼稚園は、99%が公立であり、無償
・ 高等教育における給与奨学金が最大41万円。さらに原則授業料無料。

アメリカ

【連邦制のため州によって異なる】
・ 主に5歳児を対象とする公立小学校付設の幼稚園は、無償
・ ペル等の給与奨学金:平均29万円。スタフォード等の貸与奨学金:平均58万円

ドイツ

【連邦制のため市によって異なる】
・ 3~5歳児を対象とした幼稚園は、基本的に有償。2007年までに、4つの州・市で5歳児より無償化を導入
・ 高等教育の半額給与・半額貸与奨学金で最大64万円支給

日本の実態は?

日本の場合、幼児教育の平均30万程です。また高等教育においても貸与型奨学金しかなく、しかも利子までついてくるおまけつき。これは奨学金という名の借金です。これでは迂闊に奨学金なんて借りられません。

政府の子育て支援について

平成17年に行った内閣府の調査でも57.6%の国民が子育ての負担が大きすぎると思っています。
kyouiku3諸外国と比べてみても分かるとおり、日本は子育て支援が足りていません。

しかし、親世代から「昔に比べて今の方が子育てが楽だ」といわれたことはありませんか。
「そんな事はない!」
「今の方が大変だ!」
と憤る子育てママも多いとは思いますが、親世代は何を根拠にこのような事を言っているのか精査してみましょう。

政府の子育て支援について

よく言われるのが今の方が政府からの支援が多いということです。
では30年前に比べてどのような支援が増えたか紐解きます。

児童手当

児童手当がはじまったのは1975年で、当時の支給額は第3子以降に月3,000円と簡素なものです。
今から30年前となると1986年で丁度制度が改定された年。
改定内容は義務教育まで第2子が2,500円第3子以降は5,000円と今よりだいぶ少ないです。

現在は3歳未満/小学生の第3子以降の支給額が月額15,000円に、3歳から小学生の第1・2子/中学生の支給額が月額10,000円ですから金額面ではだいぶ優遇されています。

出産育児一時金

出産育児一時金とは出産後、市、県、健康保険組合より42万円一時金を受け取れる制度です。
今では当たり前になっている制度ですが、実は新しく初めて制定されたのは平成6年でした。
それまでは出産費用・産後ケアにかかる費用は全て実費だったという事です。

妊婦検診費用補助

妊娠して12週あたりになると母子手帳がもらえます。
母子手帳と一緒に交付される補助券、皆さんも妊婦検診の際にお世話になったのではないでしょうか。
その歴史を調べると、1996年に厚生労働省が14回妊婦検診を受ける事を推奨し始め、徐々に公費負担を増やしていった経緯があります。ということは30年前にはなかった制度です。
これも比較的新しい制度ですね。

子供医療費助成

通院・入院・薬・検査費など子供が病院でお世話になる費用は市町村より補助されています。
金額制度の内容は各市町村によって異なりますが、東京23区の場合中学生まで医療費・薬代が無料のところも多く、支援内容はかなり充実してきてはいます。

歴史は古く昭和36年に岩手県和賀郡沢内村で初めて実施されました。
しかし、現在のように普及したのは平成6年ごろからで当時の制度は今ほど充実はしていません。
そのため30年前の子供医療費は実費だったと思っていいです。

 

その他の制度について

その他にもチャイルドシート購入助成、マイカー減税、保育園料引き下げ等、30年前に比べて様々な制度が追加されています。

 

結局30年前に比べてどうなのか?

こうしてみると政府からの支援は30年前に比べて、かなり充実してきているように思えます。
しかし30年前はバブル絶頂期。
年収の違いがあったのではないかと思えるかもしれません。
調べてみると確かに1986年に比べて中央値で年収は100万円ほど下がっています

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そして消費税も8%となり、家計の支出も増えました。
さらに子供の大学進学率も高まり、50%以上の学生が大学に進学しています。
当然、教育費も30年前に比べて上がっているのは間違いないでしょう。

日本は子育てはしにくいのか?

経済が下向きになっているのは他の国も同じで、どこの国も貧困層は増えています。
その中で少子化をしない為に各国様々な政策を打ち出しています。
日本も以前に比べて子育てに対して前向きになってきたのは間違いありません。

要は下降している経済に対して支援が間に合っていない現状です。
ただでさえ赤字の国家予算から、子育て支援費用を倍にするような画期的な政策はできないのかもしれません。
それでも国の支援を増やす為には子育て世帯が選挙に参加して、子育て支援に目を向けさせるのが必須でしょう。


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