死産経験者が見たドラマ「コウノドリ」8話感想と現実問題について

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私はもう何年もドラマを見ていませんが「コウノドリ」は自分が死産を経験したこともあって、とても他人事とは思えず毎週欠かさず見ています。

ドラマは原作に忠実で概ね満足していますが、大概はハッピーエンドなのが不満ですね。

「色々トラブルはあるけど無事に赤ちゃんが産まれるもんだ」なんて思って欲しくはありません。

私の様に妊娠中色々気を使っていても死産になってしまうこともあります。

ドラマ「コウノドリ」8話では「死産(悲しい出産)」も取り扱っていました。

ドラマ内に出てくる川村さん夫婦と私達夫婦は似た境遇を経て子供を出産したので、当時の事がフラッシュバックするのではないかと思い、観るのを躊躇しましたが、私はドラマでの描写が気になったので観ました(夫は「当時の事を思い出したくない」と視聴していません)。

この記事ではドラマ「コウノドリ」8話の感想と私達夫婦が実際に辿った現実を踏まえてお伝えします。

ドラマ「コウノドリ」8話の感想と現実

川村さん夫婦が授かった赤ちゃんは「無脳症」(簡単に言うと脳が正常に形成されなかった)で、私達夫婦が授かった赤ちゃんは「全前脳胞症」(脳が正常に別れなかった)でした。

川村さん夫婦は2年後(原作では1年後)に無事女の子を出産し、私達夫婦は1年後に無事男の子を出産しました。

…と、川村さん夫婦と私達夫婦が置かれた状況は似ています。

妊娠継続したい妻、「諦めよう」という夫

川村さん夫婦はエコーで赤ちゃんの異常がわかり1週間考える猶予がありましたが、私達夫婦の場合は、疑い→確定の間は数日ありましたが、確定後はすぐに決断しなくてはいけない状況でした。

その猶予期間、川村さんと同様に私もネットで検索しましたね。

「この子をなんとか助ける方法はないのか?」

でも、絶望的な情報しか見つける事が出来ませんでした。

一方の夫はネットで絶望的な情報を見て「子供よりも妻が大事、お腹の子は諦めよう」と思っていたそうです。でも、私が一生懸命なんとか助かる方法はないのか探していたので言えなかったと跡から聞きました。

まあ、現実にはそんなことを妻に言えませんよね。

「悲しい出産」をもっと簡単にできないものなのかと思った

子供を諦める選択をして挑む「悲しい出産」

悲しい出産をする際にはラミナリア処置をして子宮を広げて陣痛促進剤で出産しますが、ラミナリア処置が人生で感じる痛みの最大級に痛いのです。

お尻の穴にマッチ棒15本位無理矢理詰めた様な痛い処置を、2日かけて行います。

この辺に関しては「もっと簡単にできないの?どうせ赤ちゃん助からないんだから!」って思っていました。
悲しい出産をした後、私は赤ちゃんを怖くて見たくなくてすぐには会いませんでした。
夫は赤ちゃんをすぐに見たのですが、感想は「結構可愛かった」だったので、その後私が「やっぱり赤ちゃん会いたい」と思ってようやく見ました(可愛いと思いました)。

「悲しい出産」後の厳しい現実

ドラマや原作には描写されることはありませんでしたが「悲しい出産」後の現実は厳しいです。
当時私はフルタイム勤務していたのですが、今回の検査や出産で結構会社を休んでいましたので、上司や同僚に迷惑をかけました。

私は心も病んでしまったので、もう仕事を続けられる状態ではなくそのまま会社を辞めました(その時の上司や同僚の対応にはとても感謝しています)。

「悲しい出産」を選択してしまった罪悪感。「周りは何の問題もなく出産していくのに」という劣等感で心が押しつぶされそうでした。

その間も夫は私を支えてくれました。夫婦の絆が更に深まったという事だけが、唯一の救いだったと思います。

へんな慰なぐさめはいらないから、放置していて

「悲しい出産」をしてしまった人の気持ちは、当事者にしか理解できません。

「中途半端に慰めるくらいなら、もう何も言わないで放置していて!」と思いました。

それだけ、精神的なダメージがあるんです。

もし悲しい出産をしてしまった人が周りにいたら、何も言わずに放置が一番の対応です。

間違っても「赤ちゃんを諦めてしまった事」を責めたり「妊娠中のダメ出し(「妊娠中に気を使わなかったんでしょう?」みたいなこと)」を言うような事はしないで下さい。

信じられないかもしれませんが、世の中には居るんですよ、そんなこと言う人。経験もしていない・理解もできないくせに部外者がごちゃごちゃ言うような事じゃないです、ホントに。

お空に行ってしまったあの子は帰ってくると信じて妊活に励んだ日々

「お空のあの子は帰ってくるんだ!」と信じて産後生理が再開したら、がむしゃらに妊活に励みました。

必死でした。

すぐに不妊クリニックに通って、排卵誘発剤打って、タイミングを合わせて…。

運よく半年後に再妊娠出来ました。

産まれてくるまで、心配で心配でなりませんでした。私はエコーを見るのも怖かったです。

普通の夫婦とは違った感じのマタニティーライフでした。
夫は毎回エコー写真をまじまじとみて「脳はあるのか」「異常はないか」確認してました。夫婦2人、妊娠関係の知識が半端なくつきました(異常がないかどうか妊娠経過についてそのつど色々調べたので)。

出産するまで不安と戦う

再妊娠した時は「お空の子が帰ってきたんだ!」と思いました。

でもお腹が大きくなるにつれ「お空の子とお腹の中の子は別」「お腹の子が無事に産まれてくるようにきっとお空の子が見守ってくれる」と考えが変わったものの、お空の子の事を乗り越えられませんでした。

2人の子供に恵まれた今でも乗り越えていません。

最初の子を失ったことは事実ですからね。

お腹の子を無事に出産した時は、手術台(私は帝王切開でした)で大号泣しました。
事情を知らない先生たちは「どうした?」と思ったでしょうけど、お空の子の分まで想いの詰まった出産でしたので、涙が止まりませんでした。

でも「お空の子がいてよかった」なんてキレイな事は1ミリも感じていません。ドラマや原作では美化されていましたけどね。

「悲しい出産」なんて経験したくなかった。だってお空の子だってちゃんと産みたかったですもの!だから「お空の子がいてよかった」なんて思いません。

ドラマや原作はとても感動しましたが、現実世界は患者側のどす黒い心境やその後の厳しい現実(精神的に病んだり、仕事を退職せざる負えなかったり、部外者から酷いことを言われたり)があります。

一般の人にそこまで察しろと言うのは無茶ですが、ドラマや原作を介して「妊娠継続を諦めるまでには様々な葛藤があった」「妊娠中気を付けても悲しい出産になることもある」事位は一般の人に伝わっていればまあいいかなと、経験者としてはそう思いました。


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