• HOME
  • 記事
  • 暮らし
  • 環境アレルギーアドバイザーの私が災害時における各アレルギー患者への対応方法をまとめました

環境アレルギーアドバイザーの私が災害時における各アレルギー患者への対応方法をまとめました

a6cd710472d1a9004dcc12dac313e993_s地震や思わぬ災害によって、被災地に住む方々の多くは避難所生活を強いられてしまいます。
アレルギー患者に対し、一般的に緊急時の対応や不測の事態を施されていない現状で、アレルギー患者は健康な人よりも何倍もの精神的・肉体的な負担がかかってしまいます。

アレルギー患者まで配慮が届かない中、私達が出来る事はないのでしょうか。

避難所にアトピー性皮膚炎・喘息・食物アレルギーの方がいた場合の対処法と注意点を環境アレルギーアドバイザーである私がまとめました。

災害時に先導をきらなければいけない立場の方、災害ボランティアへ出向く方、避難生活をしている方々へ支援をしたいと考える方、災害時でも「助け合い」の精神を忘れたくないあなたは必読です。

アトピー性皮膚炎の方への対応

アトピー性皮膚炎は他人に感染する事はありません。
しかしながら、肌のケアを1日でもおこたってしまうと、あっという間に肌の状態が悪化してしまいます。肌が悪化してしまうと、かゆみが酷くなり、児童の場合は夜泣きもしてしまいます。

一部の心ない人達から偏見の目で見られたり、一緒にいる事すら嫌がられたりするケースも出てくるでしょう。私達が思っている以上に、アトピー性皮膚炎の方やその家族は周囲に気を使って生活しているのです。

アトピー性皮膚炎の方に、私達が出来る事は一体何でしょうか。

一緒に生活・行政・災害ボランティア等の方にお願いしたい事

「アトピー性皮膚炎を患っている人にとって、シャワーなどで皮膚を清潔に保つことは治療の一環で、決してぜいたくをしている訳ではない」という事を第一に理解しましょう。

できる限り、アトピー性皮膚炎の方を優先的にシャワーや入浴が出来るような環境にしていくことが望ましいです。出来ない環境であれば、清潔なタオルで身体を拭けるような配慮が必要です。なお、薬を塗る際に、少しの間でもプライベートスペースの確保をしておくとなおよいでしょう。

アトピー性皮膚炎の方は1日1回、防腐剤など刺激物の入っていない石けんを使って体を洗い流すことがよいとされています。救援物資を送りたいとお考えの方は、化粧石けんシャボン玉や無添加のシャンプーなどを正規のルートで送ると大変感謝されるでしょう。

皮膚がジュクジュクし、出血をしてしまう程重症であれば、入院治療が可能な病院への入院手配も考えておくとよいでしょう。

喘息の方への対応

避難所生活では、住環境の悪化によってアレルゲンが増加してしまいます。

発作状態までに至らなくても、咳が止まらず夜も眠れなくなってしまう可能性があると同時に「周囲の方々へ迷惑をかけていないか」と精神的な負担も強いられます。

では、喘息の方が症状を悪化させない為にはどのように対処をすればよいのでしょうか。

一緒に生活・行政・災害ボランティア等の方にお願いしたい事

寝具やマットなどを広げる際には、ホコリをなるべく立てない様に気を付けましょう。
また、たき火や蚊取り線香などから出る煙を吸い込んでしまうと発作が起こる可能性があります。支援物資の中にマスクがあれば、なるべく優先的に渡すようにするとよいでしょう。

喘息の方は、吸入ステロイド薬やロイコトリエン拮抗剤を毎日服用する事が治療の基本となっていますので、必要な薬を入手できるよう配慮します。

ネブライザーと呼ばれる電動機器を使って、薬を吸引をする喘息(1回の吸引は10~15分程度)の方も存在します。このような方がいた場合、電源を優先的に使える様な環境にしましょう。

発作が起きた場合の対処法は?

避難所生活ではアレルゲン物質が増加する為、発作を起こしてしまう可能性も十分にあり得ます。

では、喘息の方が発作を起こしてしまったら、私達は何をすればいいのでしょうか。

発作が起こった際には、気管支拡張薬をすぐに吸入か服用する必要があります。まず患者に水を飲ませ、ゆっくりと深呼吸をするように声かけします。そして、もたれかかる姿勢で休ませます。

薬がない・顔色が悪い・唇が紫になっている等の症状がある場合は、夜間であっても早めに医療機関への受診が出来る手配をする事が大切です。

食物アレルギーの方への対応

避難所で配られる支援食すらも食べる事が出来ず、本人や家族は大変辛い思いしています。食物アレルギーの方の対応を一歩間違えてしまうと、命を落としかねません。私達は食物アレルギーの方を誤食から守ってあげるよう努めなければなりません。

一緒に生活・行政・災害ボランティア等の方にお願いしたい事

食物アレルギーはとても軽視されがちで、周囲の無理解で苦労します。
何度でも言います。食物アレルギーは命に関わる問題です。
原因となる食品を摂取してしまうと、例え少量であっても命の危機に直面してしまいます。例えば卵アレルギーの場合、食品に少しでも卵成分が含まれていたらNG。災害ボランティア等の方が食物アレルギー持ちの子供へ勝手にお菓子などを与えてしまうと、大事に至ってしまうかもしれません。保護者がいない時、勝手に食べ物を与えないで下さい

なお、支援食を配る方は必ず食品表示を読んで原因物質が入っていないかどうか確認しましょう。特に、鶏卵・乳・小麦・えび・かに・そば・落花生の7品目は必ず確認してから配る様にして下さい。

また、食物アレルギーの方に「何が食べられないのか」の目印などをつけてもらうのも誤食を防ぐ方法の一つです。

症状が起きた場合の対処法は?

どんなに頑張っても食物アレルギーの方が誤食をしてアレルギー症状が出てしまう事があります。その際の対処法です。

軽度:部分的なじんましん、かゆみ、吐き気等
⇒必ず近くで様子を見て、症状の進行に注意。抗ヒスタミン剤があれば飲ませる。
中度・重度:全身のじんましん、繰り返す嘔吐、意識障害、強い咳等
⇒至急、医療機関へ(可能であれば救急車)。本人用エピペンがあればすぐに注射。

救援物資を送りたいあなたへ

避難所で食物アレルギー対応の食品を中々手に入れる事は、大変厳しい現状です。特にアレルギー対応の粉ミルク・離乳食があると大変助かるはずです。
食物アレルギーは乳幼児に多く、実に14%も何らかのアレルギーを持っていると言われています。東日本大震災・熊本地震等でもマスコミでは一切報道されませんでしたが、食物アレルギー持ちの子供は食べ物も満足に食べられず、想像以上に辛かったと想像できます。

救援物資を送りたいと考えている人の中で「食物アレルギー対応の食品を送る!」と考える方はほとんどいないと思われます。報道はされませんが、あると助かる救援物資の1つは間違いなく食物アレルギー対応食品です。

以上が災害時におけるアトピー性皮膚炎・喘息・食物アレルギーの方への対処法・注意点でした。
災害はいつ起こるかわかりません。
避難などで辛い思いをしている時こそ1人1人が「助け合い」の気持ちを持つことが大切です。

【こんな記事も読まれています】
アレルギー専門医に聞いたステロイド外用薬・保湿剤の正しい塗り方【赤ちゃん】
【環境アレルギーアドバイザー】一発合格体験談

関連記事一覧