最強・強力な金属用接着剤の選び方と実際に使用してみた結果

接着剤は接着する素材によって得手不得手があります。何百種類と出回っている中から素材と適合する接着剤を見つけるのは至難の業です。理由は裏面パッケージに書かれている適合素材だけでは、足りない情報が多く、いざ使用してみると上手くいかないことがあるからです。
例えばアロンアルファとG17は適合素材は近いですが、硬化後の接着剤は大きく異なります。アロンアルファはカピカピに硬くなりますが、G17はゴムのように柔らかいのです。
このように接着剤の特性をしっかり理解したうえで使用しなくては、充分な強度と満足いく出来栄えにはなりません。今回は金属用接着剤に絞って、選び方と実際に使用してみた結果をまとめました。

金属用接着剤の種類と選び方

世の中には数多くの接着剤が流通していますが、材料によって接着剤は大きく異なります。基本的な知識として製品の裏面に書かれている、使用に適した素材でなくては接着剤として十分効果を発揮しません。特に金属に使用する場合、使用条件によって選び方が大きく異なります。代表的な金属接着剤をまとめました。

瞬間接着剤【シアノアクリレート系】

アロンアルファで有名な瞬間接着剤は金属に接着することも可能です。主成分のシアノアクリレートが空気中の水分と結合し、あっという間に固まります。固まった表面は非常に硬くなり、多く厚塗りをすると白く固まる傾向があります。衝撃に弱いため、隙間が空いた厚塗りよりも表面を薄く塗り、広く平らな面を接着するのに向いている接着剤です。最近は耐衝撃に適した瞬間接着剤も販売しています。ただし、一般用より硬化は遅いです。また、狭い面や細い丸棒などには適した接着剤ではありません。
接着素材は金属だけでなくゴムやプラスチックだけでなく、人体も接着できるので医療用としても活躍しています。

ゴム系接着剤【シリコン系、ウレタン系など】


硬化後、表面がゴムのように弾力のある素材になる接着剤をゴム系接着剤と言います。ゴム系でもシリコンゴム系、ウレタンゴム系、スチレンブタジエンゴム系など様々な種類がありますが、金属接着が可能で有名なスーパーXはシリコンゴム系接着剤です。接着の特徴としては接着剤を塗った後、貼り合わせる前に1分~5分程度その場に置きます。接着面が乾いた後、接着しないと充分な接着効果が合わられません。接着面が柔らかい為、動いてはいけない部品などに使用は適していないでしょう。逆に常に振動などショックが加わる箇所に向いている接着剤です。

構造用接着剤【エポキシ樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤】


構造用接着剤とはJISで定められた、長時間耐えられる接着性および衝撃性に優れた接着剤のことを言います。専門業者でも使用されている接着剤のため、非常に強力で溶接よりも強いのではないかともいわれています。エポキシ樹脂系接着剤の方が歴史が古く馴染み深いですが、セメダイン製アクリル系接着剤のメタルロックは金属の接着力が非常に強くAmazonでも好評でした。アクリル系は接着力と耐衝撃性はエポキシ系より優れていますが、耐熱温度が110℃と250℃まで耐えられるエポキシ系より低めです。どちらにしろ構造用接着剤は非常に強力で、金属に最も適した接着剤といえるでしょう。

エポキシ樹脂系接着剤で金属を接着してみた結果


今回はお玉置きを金属用接着剤で修復することにしました。

修復のために私が選んだ接着剤は「エポキシ樹脂系接着剤」です。「耐熱」「耐衝撃」「耐薬品」に優れ、摩耗することも少ない為です。さらに1液タイプではなく、硬化剤が別途ある2液タイプを選択しました。2液タイプは分量を間違えると硬化せず、台無しになる危険をはらんでいますが、1度硬化すれば非常に強力で剥がれることはありません。アクリル系接着剤のメタルロックも迷いましたが、お玉乗せは食洗器で洗うこともあり、耐熱性に優れていないアクリル系は見送ることにしました。
また瞬間接着剤は面積の狭い接着に向いておらず、ゴム系接着剤は過重に弱いため消去法で「エポキシ樹脂系接着剤」を選択せざる得ませんでした。

使用したボンドは「コニシ クイック5」。評判も良く5分で効果を始めて、40分で実用に耐えられる待機時間の短さに惹かれました。金属だけでなく「ガラス」「陶器」「タイル」「石」にも使用できる万能エポキシ樹脂接着剤です。


冬場の寒い時期は硬化に時間がかかります。夏場と比較して倍以上見ておいた方がよさそうです。


主剤はエポキシ樹脂。硬化剤はポリチオールという素材です。セットには同量入っています。


大体同じ量を出して付属しているヘラで混ぜ合わせます。ちなみに透明な方がエポキシ樹脂で黄色い色したほうが硬化剤です。両方とも劇薬なので決して触らないように注意してください。私は牛乳パックを切り開いたやつをパレット代わりに使用しました。


張り合わせする両面に接着剤を塗ります。冬場なので15分以内に接着剤を塗らなければなりません。


60分固定後、硬化した写真がこちら。しっかり接着していて、剥がれそうもありません。


ステンレス製の重いお玉をのせても、びくともしません。無事接着できたようです。


しかし…1時間後ポロっとはがれてしまいました。表面の脱脂はしっかりしましたし、分量は間違っていません。剥がれた後の接着剤は固まっており、接着不良ではなく純粋に用途に合っていなかったようです。おそらくエポキシ樹脂接着剤は表面が若干柔らかいので、お玉の重さによって徐々に歪んでいき剥がれてしまったと思われます。

どうやらエポキシ樹脂接着剤は荷重が持続してかかる場所には適していないようです。

瞬間接着剤の耐衝撃用で問題解決

そこで「耐衝撃用瞬間接着剤」を使用することにしました。まだ残っているエポキシ樹脂のおかげで接着できる面が広がったため、使用できると思ったからです。

適合素材に金属とプラスティックは含まれていますが、樹脂は書いていません。もしかしたら駄目かもしれませんが試してみることにしました。


貼り付けて60分後経過したところ、ガチガチに固まり全く動きません。エポキシ樹脂だけの時よりしっかり接着されています。

実際に使用してみると違う結果になった

その後、1ヶ月使用していますが、全く剥がれることなくしっかりついています。何度も洗ったり、食洗器にも入れましたが問題ないようです。

金属接着剤を調べた時は「エポキシ樹脂」が用途に合っていると思いましたが、実際に使用してみると別の接着剤の方が合っていました。使用するまでにある程度勉強する必要がありますが、実際はやってみなければわからないものですね。

手間のかかる金属部品を接着する場合は、あらかじめ何種類か接着剤を用意しておいた方がよさそうです。


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